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Blog / February 23

  • 2003年7月には、GungHoはGravityと「独占包括永続提携」を結んでいた。
  • 2005年2月のヘラクレス上場。公開された会社情報では「有期契約」。
  • 2004年9月に人知れず白紙化されていたらしい。

GungHoとGravityの独占包括永続提携

さて、大阪証券取引所がGungHoのヘラクレス上場を承認したのが2月3日。Sig.は株式に関してはさ〜っぱりですが、上場にあたっての会社情報の公開は、目を通しておくとなかなか面白いものです。GungHo社がRO導入まで失敗続きであったことと、RO導入後の急成長、そしてROへの依存度が良く判ります。

2003年7月25日のimpressの記事から抜粋。

 今回の発表の目玉だったのが第二部のGravityとの独占包括永続提携の発表および、新作タイトルの発表だ。Gravityとの独占包括永続提携は、業界内では十分予想範囲内の話だが、今回の発表により、Gravityタイトルはすべてガンホーが取り扱うことが改めて確定したことになる。

Gravityが開発したタイトルを日本で売り出そうとした場合、全てをGungHoが取り扱うということ。Ragnarok Onlineの管理会社は永遠にGungHoだし、いつ出るか判らないが次作のRO2もGungHoの管理下に置かれる。一部のユーザーにとっては悪夢でもあるし、管理会社鞍替えを望む不毛な議論に終止符を打たれたことで、ある意味すっきりしたとも言える。

しかしヘラクレスにあるGungHoの「目論見書」には、そんな記載は一字たりともされていない。「提携」という言葉が使われるのは株式会社ゲームアーツ、株式会社ブロッコリー、株式会社ヘッドロック、バンダイネーットワークス株式会社、ジーシー株式会社(現GEコンシューマー・ファイナンス株式会社)のみである。

Gravityとの契約に関して、「目論見書」にはこうある。

AGravity Corp. との契約
  「ラグナロクオンライン」は、平成13年1月から韓国でオンラインゲームサービスの提供が開始されました。当社は、その著作権者であるGravity Corp. より、日本国内での配信・運営権等にかかるライセンス許諾を受けております。当社とGravity Corp.の契約は、下記のとおり有期契約であり、契約の解約及び契約が更新されず契約期間が満了した場合には、「ラグナロクオンライン」の配信ができなくなり、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を与えます。また、契約内容の一部または全部について変更が生じた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を与える可能性があります。(P.35)

どうも「永続」ではないらしい。さて、これはどういうことだろう?
そこで訊いてみた。

Webヘルプデスクで質問

ゲームに関することではあるものの、ヘルプデスクで訊くような類の質問ではない気もする。しかし他に適当な場所がないのだから仕方がない。ヘラクレスから質問しようかとも思ったけど、個人情報を記載しなければならないのが何となく怖い。だってOperaだと表示がガタガタなんだもの。

質問は2月19日の12:14に投稿し、返ってきたのが21日の19:35だ。返答には2日以上かかったが、得られた情報はない。

Sig.の質問とGungHoの回答のスクリーンショット

Sig.の質問

>http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20030725/ogf1.htm

こちらの記事では「GungHo社はGravityとの独占包括永続提携をした」となっていますが、

>http://www.c-direct.ne.jp/hercules/uj/pdf/10103765/00030071.pdf

こちらのPDFファイル(ヘラクレス上場の目論見書)では35ページ目の『Gravity Corp.との契約』において「契約期間が満了した場合には、ラグナロクオンラインの配信ができなくなり...(以下略)」と書かれています。

これはどちらが正しいのですか?

GungHoの解答

ラグナロクオンライン運営チームです。

お問合せをいただき誠に恐れ入りますが、契約内容等の
個別のご質問にはお答えできません。

ご投稿いただきましてありがとうございました。

---まあ、予想してはいたけどね。もともとダメ元だったし。
返答が妙に遅かったのは... ちょうど「目論見書」の訂正が行われたようだし、確認作業に手間取った、というのはさすがに読みすぎか。

真相

しょうがないから頑張って自分で調べてみる。Ctrl+Fを多用して検索、検索、検索。
すると、それっぽい該当箇所を発見。鍵は「Gravity」だ。

契約の名称
基本合意書
契約内容
平成14年7月24日付
「RAGNAROK LICENSE AND DISTRIBUTION AGREEMENT」の永続的な継続及びGravity Corp.が今後開発する、日本国内での配信・運営に係る包括権利の永続的な付与
契約期間
自 : 平成15年7月1日
至 : 無期限

(注)平成14年7月24日付の「基本合意書」は、平成16年9月18日付の「基本合意書」の締結により新たな事業協力関係構築を前提として白紙化されたものであります。(P.51)

平成14年 = 2002年であり、同年の「RAGNAROK LICENSE AND DISTRIBUTION AGREEMENT」は、ラグナロクオンラインの日本国内独占配信、販売権を付与するGrabity Corp.との契約だ。当時ROはβであり、オンセール株式会社から現行のガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社となったのが7月31日。つまりこれがGungHoをROの管理会社とした契約なのだろう。

「基本合意書」の解釈では、ちょっと混乱する。契約したのは平成14年なのに、発効は平成15年であり、それが平成16年に上書き(?)される形で白紙化された、ということか。平成14年7月24日付の「RAGNAROK LICENSE AND DISTRIBUTION AGREEMENT」は即日発効になっている。つまり「一年様子を見て大丈夫そうなら永久保証」ということになっていたのか?

平成16年9月18日付の「基本合意書」は、Ragnarok Online2及びGravityが開発する全てのタイトルの「優先交渉権」の付与となっている。

また、「LICENSE AGREEMENT」という契約もある。これは日本国内における、ラグナロクオンラインのゲームキャラクターについての排他的独占的、廃止可能、再実施可能、割り当て不能な独立した商品化権の付与、となっている。平成16年5月25日付で、まるまる2年間続く予定であったが、前述の平成16年9月18日付の「基本合意書」で白紙化され、その僅か5日後の平成16年9月23日付の契約「AMENDMENT TO CHARACTER MERCHANDIZING LICENSE AGREEMENT」によって復活している。

酷くバタバタしている感が否めない。 ...が、これを説明できる箇所を発見した。

(重要な契約の変更)
  当社及びGravity Corp. は、両社の今後の成長戦略等を十分に協議し、今後もビジネスパートナーとしての良好な関係を維持・継続させることを前提として平成14年7月24日付「基本合意書」(以下、旧基本合意書)における両社間の永久包括契約に関する見直しを行い、平成16年9月18日付の「基本合意書」にて旧基本合意書を含む全ての契約を白紙化し、新たに事業に関連する諸契約を締結いたしました。(P.102)

要するに平成16年9月18日付でいったん全ての契約をリフレッシュ、そして現状に見合う再契約をしたということだ。では何が両社をそうさせたのか?

時期的に当てはまるのは、やはりこれだろう。第8期第3四半期会計期間(平成16年1月1日〜平成16年9月30日)に、GungHoは新規事業投資損失として2億円近い損失を計上している。その理由はこうだ。

韓国RopleNet Corp.及び韓国Gravity Corp.と共同でオンラインポータル事業を展開するため、ライセンス契約金の一部を拠出しておりましたが、同国において当該事業が予想を大幅に下回る不振となったことを受け、Gravity Corp.との協議の結果、当該事業を整理することといたしましたことに伴い、当該拠出資金を損失計上したものであります。(P.116)

同様のことは先に出した「重要な契約の変更(P.102)」のすぐ下にも載っている。これで全てが繋がった。

まとめ

GungHoはラグナロクというオンラインゲーム・サービスを一年間続けて見せ、結果としてGravityとの独占包括永続提携を手に入れた。しかし一年後、GravityとRopleNetとの共同事業(海外進出)に失敗し、両社ともに大きな損失を出したことから既存契約の見直しを余儀なくされ、独占包括永続提携は白紙化、優先交渉権に格落ちして有期契約となった。

そして今に至る。

裏付け取ろうとコレを前提にググってみたら、出るわ出るわ... 新聞記事こそ見あたらないものの、RAGNAROK Squareさんとか備忘録さんとか、個人サイトや掲示板なんかではすぐに掴んでたみたいですね〜。いや〜お恥ずかしい... そして皆さん、さすがです。RO.Cでは激しく遅くなったけど、割と詳しく纏まったから許してくださいね^^;

しかしこうなると、以前取り上げたGungHoの事業戦略がまた面白くなってくる。某インタビューで森下社長がさんざん「ゲームポータルではない」と言っていたのは、オンラインポータル事業で手痛い損失を出したことによるものなのだろうか... とね?

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